インフィールドフライの判定 審判が気をつけるべきこと
覚えておきたいルール
少年野球の試合では保護者のお父さんが審判をやるケースが多いですね。
野球に詳しくないお父さんも我が子の為に勉強して頑張ってます。
そして少年野球ではまさかのプレーが起こりやすいです。
そんな場面に出くわし、判定出来きなかったり、ミスジャッジして試合後に反省しながら我が子と一緒に成長していきます。
でも、勉強しながら、経験を積みながらといっても、公式戦でのミスはトラブルのもとになりますので、自信を持って審判出来るようになりたいものです。
そこで今回は勘違いが起こりやすいルールを紹介したいと思います。
インフィールドフライ
無死または一死で、走者一、二塁または満塁時(塁が詰まっている)場面で、内野フライが上がった時に発動するルールです。
守備側の故意落球でのダブルプレーを阻止する為のルールで、打者が内野フライを打ち上げた時にインフィールドフライを宣告し、野手の捕球、落球にかかわらず打者はアウトとなります。
ここまでは多くの方が大体ご存知かと思います。
まさかの展開
この場面で起こる『まさか』が、野手が落球して走者が間に合いもしないのに慌てて次の塁へ走り出すこと。
野手も刺せそうな塁へ送球し、送球を受けた野手はベースを踏んで他に投げて刺せそうな塁を探します。
走者も野手もどうするべきか分からず半信半疑でプレーが続きます。
この時のジャッジはどうなるのでしょう?
フォースプレーなのかタッチプレーなのか把握していないと間違ったジャッジをしてしまいます。
この場合、インフィールドフライが宣告された時点で打者走者はアウトとなりますので他の走者に進塁義務はありません。
たとえ野手が落球しても慌てて進塁する必要がないのです。
落球を見て走者が進塁した場合はタッチプレーになります。
送球を受けた野手はタッチをせずに、ベースを踏むだけではセーフとなってしまいます。
本塁であれば得点が認められてしまいます。
審判はフォースプレーだと勘違いして、タッチがないのにアウトを宣告してしまいますと、ミスジャッジとなってしまいます。
因みに、インフィールドフライでは打者走者はアウトで他の走者に進塁義務はないですが、野手がフライをしっかり捕球したら通常のフライと同じように走者は帰塁をしなければなりません。
野手がフライを捕球してから走者が帰塁する前に送球すれば、帰塁出来なかった走者はアウトです。
また、野手がフライを捕球出来なかった時は帰塁義務はなく、行けそうであれば進塁してもいいのです。
ですので、走者はインフィールドフライだからと言って気を抜いたり慌てて塁に戻るのではなく、捕球出来なかったら次の塁を狙えて、捕球して送球されてもアウトにならない位の位置でプレーの行方を伺いましょう。
頭に入れておくポイント
審判をやるお父さん方も、インフィールドフライは打者走者がアウトという事だけではなく、落球したらタッチプレーになる事を合わせて覚えておくといいと思います。
もう1つ
インフィールドフライでもタッチアップは成立します。
野球をよく知ってる選手は、野手の捕球体勢や次塁の様子次第でタッチアップを狙ってきます。
野手の『スタートが早かった』というアピールに対応出来るように、捕球とスタートの両方を同時に見える位置でプレーを見る事も大事ですので覚えておくと良いでしょう。
インフィールドフライ•イフ•フェア
あまり聞きなれないという方も多いのではないでしょうか?
これはインフィールドフライなんですが、フライが上がった位置によっては、『イフ・フェア』をつけます。
どういうことかと言いますと、字のごとく一塁線や三塁線付近にフライが上がった時に、『もしフェアだったらインフィールドフライ』という意味です。
野手がフライを捕球した場所がフェアゾーンならインフィールドフライでファールゾーンで捕球したらファールフライです。
野手がしっかり捕球した時は
特に普通のインフィールドフライと変わりません。
走者が飛び出してれば送球してアウトにも出来ますし、走者はタッチアップを狙ってもかまいません。
野手が落球したら
イフ・フェアは野手が落球した時に大事になってきます。
打球がフェアゾーンに落ちたのか、ファールゾーンで落ちたのかで、打者の運命が変わります。
フェアゾーンに落ちた場合はインフィールドフライとしてそのまま打者走者アウトです。
ですが、ファールゾーンに打球が落ちた場合はファール扱いとなり、打者はアウトではなく打ち直しとなります。
審判が気をつけること
しっかりと各塁線上に立ち位置を確保し、フェアなのかファールなのか確認する事が大事です。
また、野手がグラブに当てて落球した場合は、ボールがグラブに当たった場所が、フェアゾーンだったのかファールゾーンだったのかを見逃さないように注意が必要です。
ポイントは野手の捕球体勢位置ではなく、ボールがグラブに当たった位置です。
体は完全にファールゾーンでも、手を伸ばしてグラブがフェアゾーンで打球に触ればフェアです。
目測を誤ったり、打球が風に流された時に起こり得ますので注意しましょう。
判定に迷ったら
万が一、インフィールドフライ・イフ・フェアで落球時のフェアかファールの判定に迷っても、とにかく自分が思う方のジャッジをしましょう。
『俺はフェアだと思うんだけど、もしかしたらファールかも…』くらいの迷いなら自信を持ってフェアのジャッジでいいです。
逆も然りです。
もし、ベンチから抗議があれば審判4人で集まり確認し、そこで決まった判断が確定ですので、万が一判定が覆っても気にせず切り替えましょう。
最後に
基本的に内野フライは主審の判定になります。
ベースから前のフェア、ファール判定も主審の領域です。
主審と塁審が違うジャッジをしてしまうようなダブルジャッジは一番揉める原因になりますので十分に気をつけなければなりません。
しかし、内野フライといえどバンザイでの落球など、主審から見えにくい事もあります。
基本的には主審の判定とし、バンザイして落球しそうな体勢だったり、主審から見えにくそうな状況の時は、塁審が『自分がジャッジする』という合図を決めておくなど、試合前に4氏審判でしっかり打ち合わせしておくといいでしょう。